水琴窟(1)

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水琴窟とは

水琴窟は、水音を楽しむために、庭園や寺院に作られる仕掛けです。地中に作りだした空洞の中に水滴を落下させ、その際に発せられる音を反響させる仕組みです。京都の圓光寺の水琴窟などが有名で、美しい水音が多くの人を楽しませています。林庭園設計でも、現在施工中の現場にて水琴窟の施工中です。今回はその様子を掲載します。

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林庭園設計の庭

穴を掘り、水が溜まる部分を作る

まず大人がすっぽり入るくらいの穴を掘り、ここに水が溜まる部分を作ります。完成した時に水琴窟内の水面になる水溜まり部分です。底にコンクリートを敷き、周りの壁を石などで作ります。今回は施工中のお庭の敷地から出た玉石を利用しました。コンクリートの上にも玉石を置きます。

林庭園設計の庭

排水パイプを通し、水が溜まる部分をさらに作りこんでいく

水琴窟は、この底の部分に水溜まりを作り、ここに上から水が落ちることで音を出す仕組みです。水溜まりを、適した水位に保つため、オーバーフロー式の排水パイプを設置します。パイプを通したあとは、底になる部分をさらに作りこんでいきます。排水は小川の流れに利用します。

林庭園設計の庭

瓶を埋め込み、音色をチェック

地中に空洞を作り出すため、常滑焼の甕(かめ)をうつぶせにして水溜まりの上にかぶせます。水の入り口にするため、甕の底に穴をあけてあります。音の反響を妨げないように、甕はがっちり固定せず、周囲を固めていきます。このタイミングで水音の音色をチェック。良い具合に設置できました。

★水琴窟と常滑焼★
水琴窟の音色は、甕(かめ)の大きさや形状、底の水の溜まり具合、周囲の様子など、様々な条件によって変化します。古くから水琴窟の反響盤には常滑焼の大甕(おおみか=大きな甕(かめ))が使われてきました。今回は常滑焼の、水琴窟に適した甕、会長の林が以前買い求めストックしていた最後の1つを使用しています。

林庭園設計の庭

周囲の作りを整える

水琴窟の仕組み作りが終わったら、玉石を利用して周囲の造作を作りこんでいきます。

今回の作業はここまでです。この後は水の流れを作っていきます。また作業が進みましたら掲載していきますので、お楽しみに!